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雪見障子だって!!

ゆ〜くりとリノベーションされて行く別府の老舗旅館
『山田別荘』ですが
今回、建物の補強工事に共なって
ほんの少しだけデザイン的に先に進むことができました

山田別荘の伝統・文化を踏まえて創り出される『かたち』を継承しながら
広間に設けられる『雪見障子』をデザインしました
雪見障子だって!!_e0069646_1335563.jpg

『雪見障子』とは障子の一部が上下にスライドして外の風景を見ることができる
日本が世界に誇る機能的なデザインの建具のことです

今回はこの『雪見障子』を現代的にアレンジして
現代の名工の技術を最大限に生かして造られました
全て屋久杉で出来た
天井いっぱいの高さ2メートル90センチの『雪見障子』です
しかも障子の桟(さん)は一本です!!

これが、難しいんですよ!

障子紙は湿度で伸びたり縮んだりするんですね
と、いうことは障子の枠もその影響を受けて障子紙が縮むと
内側に反ってきたりするんですが

木が乾くと木裏に向かって反るという
木の修成を利用して木裏を外向きに配置してこの問題を回避しています
雪見障子だって!!_e0069646_1351190.jpg

もちろん桟の本数が少ないということは一本にかかる力が大きくなるので
通常よりも太くしなければなりませんが
見た目に細く見せるためにちょっと大きめに面を取っています(桟の角を削ること)

引き手といって障子を開ける時に添える部分は下から上まで通っています
座った状態でも立っていても好きな高さで手を添えられることと
枠に凹凸ができるため細く見える効果もあります
雪見障子だって!!_e0069646_1343858.jpg


こんな細かいことを考えながら
この『雪見障子』は、現代の名工さん達に支えられて
山田別荘の創業から伝わる
伝統・文化を踏まえて創られているのでした
by mac-hitani | 2008-08-30 11:48 | 旅館の再生・別府山田別荘 | Trackback | Comments(0)

1970/07/29意匠職人 町谷一成 土に還る住宅を目指して地産地消のご住宅を中心に設計させて頂いております。


by mac-hitani
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